四コマって楽なんですよ。

コマ割りというのは一種の語彙であって、ページものを描こうとすると、すぐに自分の語彙の無さが露呈したり、あるいは支離滅裂なコマ割りで流れが理解できなくなるんです。いや、もちろん基本的なルールやパターンはあるんですが、それは日本語にも語法文法があるよねと言っているのと同じレベルの話で、表現力とは別の話なんです。文法構造上は一切の誤りを含まなくても崩壊した文章なんていくらでもかけるでしょう。

そこへ来て四コマというのは、いわば七五調のようなもので、とりあえずリズムだけ守っておけば"それらしいもの"には仕上がるんです。もちろん、実際の歌詠みがそうであるように、面白く構成できるのかとか、その制約の中でいかに魅力的な内容を含ませることができるかっていうのは作者の技量を要求する部分であるのですが、とりあえず"それらしいもの"だけなら楽にできる。係り受けが壊れていようがぺらっぺらだろうがリズムだけはそれっぽい七五調のフレーズがあるのと同じ。

面白くしようとしなければ、四コマって考えることが少なくて楽なんですよ。だからテキトーに切った四コマの枠でやっちゃう。面白くするにはどうすればいいかは私は知らぬ。そんな高尚なことは私にはできぬ。